■ 趣旨

風土が長い時間をかけて育んだ場所に人々は暮らしています。自然と人間が共に作り上げてきた場所に、私たちが無頓着になった時、積み重ねられた記憶の多くが失われてしまいました。

豊かな自然と人の情けに溢れる故郷を再び取り戻すためには、まずその器である公共空間を守り、育てることが大切です。人々が暮らす場所が、心地よく整えられている必要があります。

しかし現実は、縦割りの事業計画による全体性の欠如、調査から施工まで引き継がれるべき設計意図の一貫性の喪失、官民の担当者のめまぐるしい異動による長期事業における責任の所在の不明確さ等々、問題が山積みしています。

これらの問題を解決するためには、風景に関わるすべての人が、自ら汗をかき、互いの垣根を取り払い、ともに働く必要があります。そのような活動は、子供たち、孫たちの時代に実を結ぶような息の長いものになるはずです。

そこで私たち「風景デザイン研究会」は、地域の美しい風景の維持・育成・復元を推進するための諸活動をはじめました。九州及び周辺地域を主たるフィールドとして、絶え間ない実践の中で美しい風景を創ること。それが、私たちの理念です。

■ 活動方針

絶え間ない実践の中で美しい風景を創ることを理念としながら、九州及び周辺地域を主たるフィールドとして、地域の美しい風景の維持・育成・復元を推進するための諸活動を行う。

1)社会啓発活動
展示会・シンポジウム等を通じて、九州における風景の重要性や、風景を創る仕事はどのようなものかを社会に効果的にアピールする。

2)研究・調査・実践活動
様々な研究・調査・実践を通じて、風景の維持・育成・復元に必要な知識・ノウハウの蓄積を進めるとともに、風景を創る仕事とはいかにあるべきかを形で提示する。

3)人材育成活動
研修会・勉強会を開催し、風景に関連した様々な分野の人材を育成する。(仕事の担い手である専門家・民間技術者、仕事の創出者・管理者である行政職員、仕事の主体者・監督者である市民、将来を担う人材である学生の教育)

4)専門家と行政・NPO・市民を繋ぐネットワークの構築
風景の維持・育成・復元を効果的に進めるために、関係する様々な立場の人々・組織の間でネットワークを構築する。1)〜3)を通じてネットワークを構築する。